自立を助ける道具=自助具!

自立を助ける道具=自助具!

こんにちは!作業療法士の強瀬(こわせ)です。

 

当ステーションのリハビリ課には、理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)が在籍しています。

「理学療法と作業療法の違いはなんですか?」とよく質問されます。どちらも利用者様がより良い生活を送るために介入することに変わりませんが、理学療法は起きたり、座ったり歩いたりといった基本的な動作、作業療法はそこから先の日常生活動作や家事、仕事、趣味など応用的な動作と、専門性が枝分かれしています。

 

今回の社内勉強会は、OTの得意分野である自助具がテーマでした。自助具は福祉用具の一種で、文字通りその方がより自立した生活を送るために手助けする道具です。

 

「つま先に手が届かなくなったから、靴下は履かせてもらっている」

「指先の細かい作業が苦手になって、ボタンのついた洋服は選ばないようにしている」

「頭に手が届かないから、髪をうまく梳かせない」

「思うように手が動かないから、今までやっていた趣味活動は辞めてしまった」

 

という方が周囲にいらっしゃいませんか?そうしたお悩みは自助具で解決することで、生活の質が上がるかもしれません!

 

自助具は既製品もありますが、身近な材料で簡単に手作りできるものもあります。手作り品は使う人の機能に合わせてオーダーメードが可能ということが最大の魅力!勉強会では、実際に手作り自助具の使い方を体験しました。みんな興味深々!!

 

  

 

当日体験した物の中からいくつか簡単にご紹介します。

●ソックスエイド
対象:骨折やリウマチなど股関節や膝の動きに制限があり、つま先まで手が届かない方
作り方:100円ショップで売っているPPシートや下敷き、ファイル等を型紙通りにカットして、パンチで穴を開けて、使う人の長さに合わせて紐を通す

  

 

●ボタンエイド
対象:リウマチなど細かい手先の動きが苦手になった方
作り方:ピアノ線や硬めの針金を曲げて、お湯で柔らかくなるプラスチック粘土などでその方に合った持ち手を作る

  

 

●長柄ブラシ
対象:肩の骨折や拘縮などで頭部まで手が届かなくなった方
作り方:市販のブラシの持ち手を熱し角度を調整しながら曲げる。ブラシと棒が滑らないように棒に滑り止めシートを巻き、結束バンドで固定する

  

 

●リーチャー
対象:車椅子を使用している方や腕を伸ばしにくくなった方
作り方:針金ハンガーを伸ばして、使いやすい角度に調整して曲げる。棒に結束バンドなどで固定。今回は突っ張り棒に差し込んでプラスチック粘土で固定しています。

  

 

利用者様が困っていたら自助具の利用もぜひ検討してみてください。周囲にいるOTに相談していただれば、魔法の道具を作り出してくれるかもしれません!