「最期のその先」まで情報共有を

調布市内では、多職種連携のためのコミュニケーションツール「Medical Care Station」(略称:MCS)の活用が進んでいます。
医師、ケアマネジャー、看護職、リハビリ職、薬剤師、福祉用具専門相談員…最近は訪問介護の事業所の加入も増え、利用者さんについてのリアルタイムでの情報共有が活発に行われていますが、実は、在宅で最期の時を迎えられたり、緊急入院されたままご逝去されたりした後、いわば「最期のその先」についての共有にも使われています。
利用者さんの最期に立ち会えるのは医師か看護師で、他の職種が立ち会えることはまずありません。でも、利用者さんを思い、支えてきた気持ちは同じ。そんな時、最期の様子やその後のご家族の様子をMCSで共有してもらえることが、支援者チームのグリーフケアや振り返りになることを最近特に実感しています。
最近見送った利用者さんについて少しご紹介します。
ご主人が献身的に介護されていた80代の女性。食べられなくなり近隣の病院に入院となりましたが、状態は変わらず、胃瘻などは希望しないとのことで、末梢点滴のみで自宅退院となりました。病院側からは「余命は1週間程度」と言われていましたが、ご家族の献身的な介護に加え、訪問診療、訪問看護、訪問リハ、訪問介護が介入し、2ヶ月間自宅で穏やかな時間を過ごされた後、旅立たれました。
亡くなられた当日は、当事業所の看護師が「息をしていないようだ」との連絡を受けてご自宅に向かい、訪問診療の先生も到着して死亡確認となりました。その後、MCSを通じて先生、看護師から、ご本人やご家族の様子が細やかな描写でMCSで共有されました。
旦那様、息子様から
「退院した時はあと1週間しか余命がないと言われていたのに、2ヶ月間も頑張れたのは皆様のおかげです」
と感謝のお言葉をいただいております
ご主人は
「自分の両親も看て、私の両親も看て、
「タイミングよく、息子が来てくれていて良かった。待っていたんだね」
と手を握りながら話しかけていらっしゃいました
こうした血の通った記述により、他のスタッフも一緒に見送れたような気持ちになりました。この利用者様に限らず、忙しい中で最期の様子やご家族の言葉を丁寧に載せてくれる医師、看護師の皆さんに感謝です。
在宅では複数の事業所が関わります。亡くなられた後やご入院になった後、一同に会して振り返ることは難しいのですが、こういった「最期のその先」もMCSで共有することが、また次の利用者さんへのよりよい医療、ケアに繋がると感じています。